ご挨拶
私は会員の皆様の御協力のもと、2018年より日本リウマチの外科学会の代表理事を務めております、横浜市立大学附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センターの持田勇一です。
日本リウマチの外科学会は1972年に「関東リウマチ談話会」として発足し、「関東リウマチの外科懇話会」を経て、1974年に「東日本リウマチの外科研究会」、1995年に「リウマチの外科研究会」と名称変更を行い、さらに2017年に「日本リウマチの外科学会」へと改称して現在に至っております。本年秋には第49回の学術集会が予定されており、来年には活動期間が半世紀を超える長い歴史と伝統がある会で、関節リウマチの外科的治療を目指す医師の教育と学術成果の報告の場を提供してまいりました。現在は外科系では“リウマチ”の名称が学会名に入る、国内唯一の学会組織です。
歴史的に日本の関節リウマチ治療は薬物療法のみならず、手術療法・リハビリテーション・生活指導の4本柱が、それぞれ高いレベルを目指しながら発展してきました。近年の薬物治療の長足の進歩により、手術が必要な例は減少しつつありますが、手術療法の理解・実践の重要性には変化がないと考えています。整形外科医が携わる関節リウマチの診療は若い世代の先生方にとっては経験に乏しく、難しいものと感じるかもしれません。しかしリウマチ診療では“患者さんに触れて”疾患を評価し、必要な薬物治療を行いつつ多彩な臨床像に対して手術適応を考える、医師としての責務の重要性と楽しさを味わうことが出来ます。また詳細な術前評価・手術計画を行い、手術手技の向上のみならず周術期合併症等への対応も行い、術後には社会活動への復帰やQOL向上にも取り組むというように、患者さんの人生の一部に関与出来るような素晴らしい仕事だと考えています。
現状では学会運営に様々な問題も山積しておりますが、一昨年には事務局の移転も行い軌道に乗りつつあります。今後充実した学会活動にすべく、会員の皆様の力をお借りして透明性を保ちながら、存在意義を踏まえて社会に情報発信を果たしていくことが求められます。関節リウマチの外科治療はニッチ(niche)な分野ではありますが、“リウマチ”をキーワードとした整形外科医の集まりが世界中で少なくなりつつある今、逆に当学会員が一つにまとまって情報発信を進めていけば、研究・診療の分野において世界をリードすることも可能と考えています。
今後も皆様のお力を是非お貸しください!
日本リウマチの外科学会
代表理事 持田勇一